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フジックス探偵団

工場見学

染色工程


■染色工程について

染色工程では、お客様が使用される様々な色の素材に対応するため、品種によっては600色もの色に糸を染め分けています。


フジックスではデータ染色方式を採用しており、各生産オーダーに従って「レサイプ」と呼ばれる染色のレシピを発行しています。

「レサイプ」には染料の分量やプログラムの番号などが細かく記載されており、作業者はこれに従い染色を行います。

染色後、適正な色に染まったかどうかの検査を行います。
ここで合格した糸は晴れて次工程の仕上工程に送られますが、不適合であった場合は染色試験室にて調整を行い、修正もしくは再度新たに染色を行います。

 

■自動ラックシステム

染色工程では染料の保管に自動ラックシステムを導入しています。

外見は自動車の立体駐車場を小さくしたようなもので、ひとつひとつのコンテナに染料が格納されています。


これは染料の取り出しを自動化し、作業距離を最少にするためのものです。多くの種類の中から必要な染料が自動的に計量者の目の前まで運び出され、計量後はもとの場所へ戻ります。取り違いや格納ミスを防ぎ、多くの種類の中から目的の染料を捜す時間もいりません。

 

 

 


 

 

■染め分ける使命

製品の中には600色も展開するものもあり、染色工程ではこれらの微妙な色の違いを「正確に」「継続して」「安定的に」染め分けるという使命があります。


どのような色に染まるかは基本的には染料の投入量で決まります。フジックスが採用しているデータ染色法では、投入する染料の分量が明確に決められているため、染料を正確に計量するという作業がとても重要となります。


自動ラックシステムは大切な作業において少しでもリスクを軽減するために導入した自慢の設備なのです。

 


 


■あつ~い職場です

 

染色工程で働いている作業員はこう言います。

「暑さに対しては相当自信があります。
天気予報で騒いでいる記録的猛暑なんて、なんとも思わないですね」とちょっと鼻高々な感じになります。

染色工程の現場には糸を染めるための圧力釜がずらっと並んでいて、釜の内部は高温高圧の状態になっています。
当然そのまわりは通常の室温よりかなり暑くなり、作業員はその中で作業をしなくてはいけません。

現場ではスポットクーラーのほか換気設備も設置していますが、それでも釜のそばの温度は40℃以上になってしまいます。作業員は、水分補給をして熱中症対策に心がけるなど、各自、体調管理への意識を常に持ちつつ、良い糸をつくるという「あつい」気持ちで日々作業にのぞんでいます。


 

 

 

■水に対するこだわり

染色工程の工場は2008年に京都から滋賀に移転し、滋賀事業所内で「撚糸」→「染色」→「仕上」までの一貫生産体制を実現することができました。これにより短納期の要望にも対応することが可能になりました。

 

 


 

染色工程では水を媒体として糸を染めるため、多くの汚水がでてしまいます。滋賀県には「関西の水がめ」である琵琶湖があり、下水排出基準が他県に比べて厳しくなっています。

 

基準が厳しいこともありますが、フジックスは周辺地域の環境保護のためにも、大規模な排水処理装置を導入しました。

そのため、規制物質を除去するだけでなく、透明に近い水を排出することができています。